金沢大学
オープンサイエンスシステムガイド

論文書誌情報に予算情報を加えることにより、予算と論文発表(成果)が紐づけられます。

◇1 二種類のメタデータの公開◇

 厳密にはメタデータとは情報資源に関する情報(データ)のことです。論文を情報資源と捉えると、書誌情報は論文のメタデータと呼ぶことができます。OSSでは、研究データのメタデータだけでなく論文のメタデータの公開も支援しています。
 論文のメタデータを公開することは、オープンアクセスの一部であり、仮に著作権等の問題で論文の電子データを大学(機関)リポジトリから公開できないとしても、論文のメタデータを公開することは可能です。またそれが推奨されています。論文書誌情報に関して、国際的な相互運用性を向上させるために、JPCOREスキーマという論文メタデータ規格が策定されています。金沢大学学術情報リポジトリ「KURA」においても、KURA掲載論文について、これに則った論文メタデータが公開されています。ここには、「助成情報」という項目があるため、JPCOREスキーマに従った論文メタデータを公開すれば、予算と論文発表(成果)の紐付けが公開されることになります。
 つまり、KURAからの論文メタデータの公開により、2024年2月に内閣府統合イノベーション戦略推進会議から示された、「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」に確実に対応することができます。この基本方針では、2025年から新たに公募を行う以下の公的資金について、即時オープンアクセスとすることが義務化されています。


・ 日本学術振興会 「科学研究費助成事業」
・ 科学技術振興機構(JST) 「戦略的創造研究推進事業」
・ 日本医療研究開発機構(AMED) 「戦略的創造研究推進事業」(革新的先端研究開発支援事業」
・ 科学技術振興機構(JST) 「創発的研究支援事業」



◇2 金沢大学オープンアクセス方針とオープンアクセス◇

 金沢大学では、2018年3月に、「金沢大学オープンアクセス方針」を施行し、その第3条において
「本学に在籍する教員の公的資金を用いた研究成果を,金沢大学学術情報リポジトリによって公開する。」
 第4条において、
「教員は,できるだけすみやかに自身の研究成果についてリポジトリへの登録申請を行う。図書館から の求めに応じて, リポジトリ登録が許諾される著者最終稿等の適切な版を本学に無償で提供する。なお, 本方針の定める研究成果以外の成果物についても提供を推奨する。」
と定めています。2024年にはリポジトリ運用指針を改正し、メタデータのみの公開が可能になり、KURAを通し、本学の研究成果を一元的に公開します。
 KURAではreserchmapに登録された研究成果(論文)をもとに、登録作業を行っていますが、公的研究資金と論文との紐づきは、researchmapではわかりません。そのため、ゴールドオープンアクセス論文についてはメタデータのみを、その他の論文については、著者の方から著者最終稿の提供することで、論文メタデータに研究資金の情報を載せて公開することが可能になります。論文メタデータに研究資金配分機関や事業名を確実に記載するためには、OSSの「KURAへの登録申請」をご利用ください。こうした情報を組み合わせることによって、KURAに研究資金に関する情報(研究費に関わる体系的番号)を登録することが可能になります。


 ※ゴールドオープンアクセス、グリーンオープンアクセスについての詳細はこちらをご覧ください。